断るのには理由がある。

今、大々的にニュースになっている、妊婦受け入れ拒否問題。
今回は、最悪の自体になってしまい、憤りを感じざるを得ない。


さて、ここからはロジカルに考えてみる。
幸いにも私の嫁は助産師なので、その意見も取り入れてまとめてみた。(問題提起のみ)


まず、なぜ「たらい回し」という現象が発生するか。ということだが、
これはテレビでやっていることが概ね正しいが、補足しておかねばなるまい。

助産医師が助産師が足りない。

これに関しては、一番に言われること。 しかし、この自体がなぜ起こるのか?
これが一番の問題だろう。


助産師、いや、医療関係に携わる人というのは、元来「人を助けたい」という念からその道に入ることが多い。
生半可な意志では、この道に足を踏み入れることは出来ないだろうと私も思うし、
向き不向きが色濃く反映される職業としてもトップクラスだろう。


しかし、そんななかでの医師不足。国の方針で医師を減らすということをやってきたのは周知の事実で、
そのせいも無いとは言わないが、一番の理由は、自己保身だろう。

一番の理由は自己保身

今、足りないと言われている医師で顕著な業種は、「産科」と「小児科」だ。
どちらも、非常にリスクが高い。
ここで言うリスクとは、患者が死んでしまうリスクであり、それが理解されないリスクだ。


私は、結婚してからいろいろと聞かされたので、お産については非常にリスクが高いというのは知っているが、
一般的には、「子供を生むこと」=「高いリスク」という方程式が成り立ってない。
母親にとって、妊娠〜子供を生むまでの道のりというのは、言い方が悪いが体にとっては異常な期間であり、
母体には非常なストレスがかかる。 そのストレスから、妊娠性なんたらという病が多々ある。(妊娠性高血圧症、妊娠性低血糖症など。)
子供を生んだ後は、血が固まりやすい状態になるため、血管が詰まって起こる病気である、脳卒中心筋梗塞にもかかりやすい。


さらに、訴えられるリスクが一番高いのもこの分野だそうだ。
しかし、だ、
母子の状態によっては、どうしても助けられないケースがある。 外科であれば、不治の病などは、(ある程度)家族も諦めが点くかもしれないが、昨日まで元気だった人が急に無くなってしまうことは受け入れがたい。が、そういうことが起こる可能性があるのが「産科」と「小児科」なのだ。


小さな病院で、訴えられ(敗訴したら)たら、経営困難に陥ることは目に見えている。
それをよく分かった上で、(経営という立場から)「産科」と「小児科」をあえて設ける必要があるだろうか?
言ってみれば、爆弾を抱えるようなものだ。


私が言いたいのは、「患者の側にも改善すべきところがある。」ここなのだ。
時代の流れか、医師と患者の信頼関係というのは非常に希薄になっているように感じる。
医療関係の金銭的、労働的待遇も改善すべき点はあると思うが、
金銭でモチベーションが上がる人が人の命を預かるべきでは無いと思う。


信頼関係を築ける病院作りが大切なのではないだろうか。