思考の整理学

思考の整理学 (ちくま文庫)
思考の整理学を立ち読みして、ピンと来るものがあったので、買ってみた。


最初の章「グライダー」は世の先生方に是非読んでほしい。

学校の生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強する。自学次週ということばこそあるけれども、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなものだ。自力では飛び上がることはできない。

学校はグライダーの訓練所である。

優等生はグライダーとして優秀なのである。


と、現状(と言っても、この本は1986年発行)の学校教育を痛烈に批判するとともに、
私たち先生としての立場の人間がどう振る舞うべきかを教えてくれる。


結局、生徒として育てられた人が先生になること自体矛盾が出てくる。
先生になった瞬間に、生徒としての考えは完全に切り捨てなければならない、
そして、新しいパラダイムの元、教育を行わなければならないと思う。


これは、経営についても同じだ。
社長というのには、大きく2種類いる。
一つは、最初から社長。学生起業などがこれに当たる。
この場合、ビジョンが明確で、先導力があればたいていうまく行く。
もう一つは、会社員が一念発起で社長になるケース。
これが、通常多いパターンだろう。かく言う私もそうだ。
会社員として経験が多ければ多いほど、この起業には危険が伴う。
社員としての気質や考えが抜けないのだ。
例えば、会社が苦しくなったときに、社長がやるべきことは、改善だ。それしかない。
人員削減や、コストカットは小手先に過ぎず、やりすぎは逆に経営悪化を招く。


さて、そうしたときに、社員気質が抜けないと、
社員に気を使う改革しかできない。思い切りが足りないのだ。
どうしようもなくなって、リストラしなければならないときも、
スパッと決断して、最低限の人員削減で済むときにすませなければならない。


意識改革。独立を目指すあなたがまずしなければならないのはこれだろうと私は思う。